農地転用のご相談を受けていると、「農地法の許可さえ取れれば大丈夫」と考えている方が多くいらっしゃいます。
しかし、実務の現場ではそれだけでは足りないケースが少なくありません。
今回は、農地転用と密接に関わるにもかかわらず、意外と見落とされがちな「盛土規制」について解説します。
■ 農地転用=農地法だけではない
農地転用は、あくまで「農地を農地以外に変えることの許可」です。
しかし実際の計画では、
・土地の造成(盛土・切土)
・排水計画
・接道状況
・周辺環境への影響
など、さまざまな要素が絡みます。
その中でも近年特に注意が必要なのが、「盛土」に関する規制です。
■ 盛土規制とは何か?
近年、各地で発生した土砂災害を背景に、盛土に対する規制は全国的に強化されています。
一定規模以上の盛土や、災害リスクのある区域での造成行為については、別途許可や届出が必要となるケースがあります。
つまり、
⇒農地転用の許可とは別に
⇒盛土についてもチェックが必要
という構造になっています。
■ なぜ見落とされやすいのか?
盛土規制が見落とされる理由はいくつかあります。
① 農地転用の相談段階では話題に上がりにくい
② 盛土規制は所管が異なることが多い
③ 規模や内容によって対象かどうかの判断が難しい
そのため、計画がある程度進んだ後に初めて問題になるケースも少なくありません。
■ 実務で起こりがちなズレ
現場では、
・農地転用の話は進んでいる
・しかし造成内容の精査が不十分
という状態になりがちです。
この段階で盛土規制が絡むと、
⇒追加の手続きが必要になる
⇒スケジュールが遅れる
⇒最悪の場合、計画の見直し
といった影響が出ることもあります。
■ どうすればいいのか?
ポイントはシンプルです。
⇒「農地転用の前に造成内容を整理すること」
具体的には、
・どの程度の盛土を行うのか
・高さや面積はどれくらいか
・対象地の区域区分はどうなっているか
これらを事前に確認しておくことで、後からの手戻りを防ぐことができます。
■ まとめ
農地転用は単体の手続きではなく、さまざまな法規制と連動しています。
その中でも盛土規制は、
⇒見落としやすい
⇒しかし影響が大きい
という特徴があります。
だからこそ、
⇒「農地転用+造成(盛土)」を一体で考える視点
が重要になります。
農地転用をご検討の際は、「農地法の許可が取れるか」だけでなく、「造成計画に問題がないか」も含めて、早い段階で確認しておくことをおすすめします。

