農地に建物が建っていたり、駐車場や資材置場として利用されている場合、「違反転用ではないか」と問題になることがあります。

一般的に、農地を宅地などへ変更する場合には、農地法第4条・第5条の許可が必要です。
そのため、許可を受けずに人為的に宅地化されている場合、原則としては違反転用として扱われ、農地法5条申請などによる是正を検討することになります。

しかし、このようなケースであっても、一定の場合には「非農地証明」が認められる可能性があります。

農地法施行前から宅地化されていた場合

ポイントとなるのは、その土地が「いつから宅地化されていたのか」です。

農地法が施行されたのは昭和27年です。
そのため、昭和27年以前から既に住宅敷地や倉庫敷地などとして利用され、農地としての実態を失っていたことが客観的に証明できれば、非農地証明の対象となる可能性があります。

つまり、

  • 農地法施行後に違法に転用された土地ではなく
  • そもそも農地法施行以前から宅地状態だった

ということが重要になります。

「昔から宅地だった」は口頭だけでは難しい

ただし、実務上は単に

「昔から家が建っていた」
「祖父の代から宅地だった」

という説明だけでは足りません。

非農地証明では、客観的な資料による裏付けが重要になります。

例えば、

  • 古い航空写真
  • 昔の住宅地図
  • 公図や地積測量図
  • 建物登記
  • 固定資産課税台帳
  • 家屋評価資料
  • 古い契約書
  • 水道・電気の利用履歴
  • 古写真

などが証拠として利用されることがあります。

資料が完全に揃っていなくても可能性はある

もっとも、古い土地の場合、昭和20年代や30年代の資料がきれいに残っているケースばかりではありません。

そのため実務では、

  • 航空写真
  • 登記情報
  • 課税状況
  • 周辺状況
  • 建物の築年数

などを少しずつ積み上げ、「総合的に見て農地法施行前から宅地化されていた」と判断できるかを検討していきます。

つまり、「決定的な一枚の証拠」がなくても、複数の資料を組み合わせることで証明できる可能性があります。

安易にあきらめないことが大切

「資料がないから無理だと思っていた」
「昔から宅地だったのに農地と言われて困っている」

という相談は、地方では珍しくありません。

特に相続や売買、建替えの場面では、農地のままでは手続きが進まないこともあります。

非農地証明が可能かどうかは、資料調査や役所との協議によって方向性が見えてくる場合がありますので、安易にあきらめず、まずは専門家に相談することをおすすめします。