農地を転用して住宅や事業用の建物を建築しようとする場合、農地転用の許可だけでなく、都市計画法に基づく開発許可が必要になることがあります。

では、どのような場合に両方の許可が必要になるのでしょうか。

今回は、米子市を例に考えてみましょう。

1.農地転用の許可が必要になる区域

まず、農地転用の手続について確認しておきましょう。

米子市では、市街化区域内の農地を転用する場合、原則として農業委員会への届出が必要になります。

一方、市街化調整区域や都市計画区域外などの農地を転用する場合には、原則として農地転用の許可が必要になります。

つまり、農地の所在地によって、必要な手続が異なるということです。

2.市街化調整区域で建物を建築する場合

次に、開発許可について考えてみましょう。

市街化調整区域は、市街化を抑制することを目的とした区域です。そのため、原則として自由に建物を建築することはできません。

市街化調整区域内の農地を転用して住宅や店舗、事業用の建物などを建築する場合には、農地転用の許可に加えて、都市計画法による許可が必要になることがあります。

ここで注意したいのは、都市計画法による許可には、主に次の2つがあるということです。

① 都市計画法第29条の開発許可

建築物の建築などを目的として、土地の区画形質の変更を行う場合に問題となる許可です。

市街化調整区域では、原則として開発行為の規模にかかわらず許可が必要になります。

② 都市計画法第43条の建築許可

開発行為に該当する土地の区画形質の変更を伴わない場合でも、市街化調整区域で建物を新築する際には、原則として建築許可が必要になります。

例えば、一般住宅を建築する場合でも、土地の状況や工事内容によって、29条の開発許可と43条の建築許可のどちらが必要になるかが異なります。

したがって、農地転用の許可と開発許可が必ずセットになるわけではありません。

3.開発許可が不要になる場合もある

市街化調整区域内であっても、すべての開発行為について許可が必要になるわけではありません。

都市計画法では、一定の農林漁業用施設や農林漁業者の住宅、公益上必要な施設などについて、開発許可を不要とする規定が設けられています。

ただし、これらの例外に該当するかどうかは、建築物の用途や事業内容などによって判断されます。

また、都市計画法上の開発許可が不要であっても、農地転用の許可まで不要になるとは限りません。

それぞれ別の法律に基づく制度であるため、個別に確認する必要があります。

4.農地転用の許可だけでは建築できないこともある

ここまで説明したとおり、農地転用と開発許可は、それぞれ異なる目的を持つ制度です。

農地転用の許可では、農地を農地以外の用途に利用することが認められるかどうかが審査されます。

一方、開発許可では、土地の利用目的や開発行為の内容、道路・排水施設などの技術的な基準への適合性が審査されます。

そのため、農地転用の許可基準を満たしていても、都市計画法の許可基準を満たさなければ、計画している建物を建築できない場合があります。

また、農地転用の許可審査でも、他法令による必要な許認可が得られる見込みがあるかどうかが確認されます。

したがって、両方の許可が必要になる場合には、農地転用と開発許可を別々に考えるのではなく、事業計画の段階から両方の基準を確認しておくことが重要です。

5.まとめ

農地転用と開発許可の両方が必要になるかどうかは、土地の所在地、建築物の用途、開発行為の有無などによって異なります。

特に市街化調整区域では、農地転用の許可だけでなく、都市計画法による開発許可や建築許可についても検討する必要があります。

農地を購入した後になって、予定していた建物を建築できないことが判明する事態を避けるためにも、土地の取得や事業計画の段階で、必要な許認可を確認しておくことをおすすめします。