農地転用のご相談を受けていると、一般の方が勘違いされていることが少なくありません。
今回は、特によくある勘違いを3つご紹介します。
① 自分の土地だから自由に使える
「自分が所有している土地なのだから、家を建てたり駐車場にしたりするのは自由だろう」と思われる方は少なくありません。
しかし、農地を住宅や駐車場、資材置場、太陽光発電施設など農地以外の用途に利用する場合は、原則として農地法に基づく許可や届出が必要です。
また、地域や転用内容によっては、
- 隣接農地の所有者や耕作者から同意書の提出を求められること
- 太陽光発電施設では自治会への説明が求められること
- 排水計画や造成計画について関係機関との協議が必要になること
などもあります。
これは、農地という限りある資源を守るとともに、周辺の農地や地域へ悪影響を及ぼさないようにするためです。
「自分の土地だから自由に使える」というわけではなく、農地には一般の宅地とは異なるルールがあることを知っておくことが大切です。
② 耕作していないから農地ではない
「何年も耕作していないから農地ではないですよね?」
これも非常によくあるご質問です。
しかし、農地かどうかは現在耕作しているかどうかだけで判断されるわけではありません。
農地として利用しようと思えば比較的容易に耕作できる状態であれば、耕作していなくても農地として扱われることが多く、農地転用の手続きが必要になります。
一方で、
- 長年放置されて竹木が繁茂している
- 山林化している
- 農地へ復旧するために多額の費用や労力が必要
といった場合には、非農地証明などの手続きにより農地ではないと判断される可能性があります。
個別の事情によって判断が異なるため、自己判断せずに事前に相談されることをおすすめします。
③ 登記簿の地目が「田」「畑」なら必ず農地
これもよくある勘違いです。
農地法上の農地かどうかは、登記簿上の地目だけではなく、現況によって判断されます。
そのため、登記簿には「田」や「畑」と記載されていても、現況が山林や原野となり、農地として復旧することが困難な状態であれば、農地法上の農地に該当しないと判断される場合があります。
ただし、その場合でも「何もしなくてよい」というわけではありません。
非農地証明を取得し、その後に土地家屋調査士へ依頼して地目変更登記を行うのが一般的です。
「登記簿が田だから農地」「現況だけ見ればいい」と単純に判断できるものではなく、現況や地域の運用も踏まえて判断する必要があります。
まとめ
農地転用では、
- 自分の土地だから自由に使えるわけではない
- 耕作していないから農地ではないとは限らない
- 登記簿の地目だけで農地かどうかは決まらない
という3点は特によくある勘違いです。
農地は一般の土地とは異なるルールが多く、地域によって運用が異なる場合もあります。
「うちの土地はどうだろう?」と思われたら、工事や売買を進める前に一度ご相談いただくことをおすすめします。

