私は行政書士として開業した当初は、農地転用を専門として扱うことになるとは考えておりませんでした。最初から想定していた業務は建設業許可でしたし、実際は相続の業務の依頼が多かったです。そんな私がなぜ農地転用をメイン業務にしているのかということで、農地転用との出会いのお話をしたいと思います。
私は開業した当初から無料相談会に先輩行政書士と一緒に参加していました。開業した年の12月だったと思います。とある方が無料相談会に来られて、農地転用の相談をされました。先輩行政書士から「君、やってみないか」との打診があり、それではしてみようかなと思って私の方で受任させていただくことになりました。もちろん、それまで農地転用は経験したことがなく、初めての受任でした。
私は初見の業務をすることが比較的得意なので、そこまで戸惑いはありませんでした。とはいえ、農地転用は一人で黙々と書類を作成するというよりは、いろいろなところに出向いたりしていろいろな人とやり取りしながら進めていくような業務でした。そのときの依頼者の方は私と一緒に関係者の方のところに出向いてくださり、一緒に話をしていただきました。今となって振り返ると、とてもありがたいことだったなと思います。その方が話をスムーズに進めることが可能だったと思うからです。また、申請時期なども焦ったりされておらず、確実に進めましょうということで、それも最初の業務としては安心してできたのではないかと思います。
また、農業委員会事務局からは結構細かい要求がありました。依頼者の方はその都度打ち合わせの時間を取っていただき、確認事項への回答などに対応していただきました。添付資料もどんどん増え、膨大になっていきました。それでも何とか許可までこぎつけることができました。今でもそのときの仕事の経験がベースになって農地転用の依頼をこなせていると思います。

