「この土地は市街化区域だけど、農地転用は届出でいいの?それとも許可が必要?」
そんなご相談をよくいただきます。
実は、農地がどちらの区域にあるかによって、
手続きの内容・提出先・審査期間・必要書類がまったく異なります。
今回は、行政書士が「市街化区域」と「市街化調整区域」の農地転用の違いを分かりやすく解説します。
✅ 市街化区域とは?――農地転用届出の対象
市街化区域とは、住宅や商業施設などの建築を優先的に進める区域のことです。
この区域では、都市計画上「市街化を促進してよい」とされているため、
農地転用の手続きは比較的簡易に行えます。
📋 手続きの名称:農地転用届出
- 法的根拠:農地法第5条第1項ただし書
- 許可ではなく“届出”で足りる
- 受付期間の制限なし(いつでも可)
- 受理後、通常1週間以内に「受理通知書」が交付される
- 工事完了届の提出は不要
📍 窓口
各市町村の農業委員会が窓口です。
たとえば米子市であれば「農業委員会事務局」が担当します。
⚠️ 市街化調整区域とは?――農地転用許可申請の対象
市街化調整区域とは、無秩序な開発を防ぐために建築・転用を制限している区域です。
この区域では、農地転用を行うために許可を受ける必要があります。
📋 手続きの名称:農地転用許可申請
- 法的根拠:農地法第5条第1項
- 許可権者:原則は都道府県知事
→ ただし、権限を委任されている場合は市町村長 - 転用面積が4haを超える場合は農林水産大臣との協議が必要
- 申請は各自治体の農業委員会が受付
- 通常、月1回の農業委員会総会で審議されるため、締切日が設けられている
- 申請書提出から許可証が発行されるまで通常1~2か月かかる
🧾 許可後の流れ
- 許可証の発行(都道府県知事または市町村長名義)
- 転用後、工事完了届の提出が必要
🆚 手続きの違いまとめ(比較表)
| 区域 | 手続き名 | 許可権者 | 審査頻度 | 手続きの結果 | 工事完了届 | 処理期間の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 市街化区域 | 農地転用届出 | 農業委員会(受理通知書) | 随時受付 | 届出受理通知書が交付 | 不要 | 概ね1週間以内に受理通知書交付 |
| 市街化調整区域 | 農地転用許可申請 | 都道府県知事(または市町村長) | 月1回程度の農業委員会総会で審査 | 許可証が交付 | 必要(工事完了届提出) | 概ね1〜2か月で許可証交付 |
🔍 まず確認すべきは「その農地がどちらの区域か」
手続きの前に、該当の農地がどちらの区域にあるかを確認する必要があります。
鳥取県内では、市町村の「都市計画課」や「都市創造課」で確認可能です。
たとえば米子市の場合は「都市創造課(都市計画担当)」が窓口です。
💬 鳥取県・島根県で農地転用をお考えの方へ
市街化区域・市街化調整区域いずれの手続きも、当事務所で対応しております。
手続きの流れや必要書類の確認など、どうぞお気軽にご相談ください。

