前回に引き続き松江市で農地に一般住宅を建築する場合の農地転用申請書類についてのご説明をしていきます。今回は、該当する場合は必要な書類です。
⑫隣接農地の所有者、耕作者、水利権者等の同意書
主に当該農地に権利を持っている者からの農地転用への同意書となります。所有者と耕作者が同一の場合は所有者から取得すれば良いですが、別の場合は所有者と耕作者それぞれからの同意書が必要ということだと思われます。また、主に隣接農地が田の場合は、水利権者からの同意も必要となります。用水路から水を入れ、排水路から水を出しているからです。この水路に転用事業が影響してくる可能性があるためです。基本的には水利組合の組合長と話をすることになりますが、場合によっては水利組合の会合などで説明することもあります。事業の内容によっては、これらの同意書を取得するのがとても困難な場合があります。考えられるリスクとそれへの対策を明確にして納得のいく説明をする必要があります。場合によっては、事業の変更が必要になることもあります。
⑬委任状
主に行政書士などの専門家に依頼する場合に必要になります。
⑭住民票
申請者が松江市外に在住の場合に提出します。申請者が登記簿上の登記名義人と同一人物かをチェックするものと思われるため、⑮の提出も必要になる場合があります。
⑮戸籍の附票
住民票の住所が登記簿上の住所と違う場合に提出します。戸籍の附票には過去の住所の変遷が記載されているため、登記簿上の登記名義人と同一人物であるかどうかのチェックに使われます。
⑯相続関係書類
相続登記が未了の場合に必要になる書類です。相続関係を説明する書類及び相続人全員からの同意書が必要になります。そもそも相続人全員からの同意書が取れるようなら相続登記をしても良いと思います。相続登記しないと譲受人へ所有権移転ができないからです。
⑰抵当権者の同意書
当該農地に抵当権が設定されている場合に必要になります。後々の話ですが、所有権移転するのが前提のため、基本的には何らかの形で抵当権を抹消してからの所有権移転になると思われます。
⑱他法令の許可、認可等を証する書面
農振除外、開発許可等が代表的な許認可となります。このような許認可については農地転用申請を行う前に事前に関係部署に問い合わせして確認する必要があります。これらの許認可が必要な場合は取得していないと農地転用申請も許可とはなりません。
⑲法人登記簿謄本
申請者が法人の場合に、履歴事項全部証明書を提出することになります。発行から3か月以内のものになります。
⑳求積図
農地の一部を転用する場合に必要です。この場合には基本的に分筆登記をした後に農地転用申請を行うことになると思います。
㉑農地への復元計画平面図、断面図
一時転用の場合に必要です。のちに農地へ復元するときにどのようにして復元するかの計画と思われます。一般住宅建築の場合には必要になることはほとんどないと思います。
以上、3回にわたって松江市で一般住宅を建築する場合の農地転用申請書類について解説してきました。農地転用申請を成功に導くためには、事前の段取りが重要です。今回の説明でご不明な点があれば、当事務所までお気軽にお問い合わせください。