農地転用したい場合にすぐに申請書類を作成して提出しても、うまくいかないことが多いと思います。まずは転用したい農地がどのような農地なのか知ること、それによって今後の行動の仕方が変わってきます。また、農地転用できるかどうかも事前の確認段階で8割程度決まってくると思います。今回は農地転用の際事前に確認する事項をお伝えします。
①農地が農振農用地区域内かどうか
いわゆる「青地」と言われる農地であるかどうかということです。この区域外の場合は一般的に「白地」と呼ばれる農地になります。農振農用地区域内の場合は、農地転用の前段階に別途「農振除外申請」が必要になり、農振農用地区域から該当農地を除外する必要があります。ただ、ここにも条件が合って、その条件に合致しなければ申請しても除外できないということになります。その条件についてなど、農振除外申請の詳細は別の機会にご説明したいと思います。この手続きが完了するのに、自治体にもよりますが、半年~1年程度かかります。
②地域計画の区域内かどうか
地域計画の区域内である場合は、この区域から除外する申請が必要になります。この申請自体は自治体にもよると思いますが、特に難しい手続きではないと思われます。農振除外申請のような条件などはありません。この手続きに最低2か月程度かかります。
③農地区分について
農地区分についての詳細な説明は別の機会にしたいと思いますが、それぞれ甲種農地、第1種農地、第2種農地、第3種農地とあります。甲種農地と第1種農地は例外を除いて基本転用不可、第2種農地はその農地以外に事業を実施することができる土地が近くにない場合は転用可能、第3種農地は基本転用可能となっています。今まで説明した事項の中でこの項目が一番重要で、①や②をクリアしてもこの項目で転用不可の場合は意味がないので、この項目がどうであるかが農地転用できるかどうかに一番関係してくる事項になります。
④土地改良区の区域内かどうか
土地改良区とは、土地改良法の規定に基づき都道府県知事の認可により設立される公法人の事です。その土地改良区の事業範囲内にある農地(基本的には田が中心だが、畑が該当する場合もある)の場合、除外申請が必要になります。土地改良区によっては決済金のような形で除外するのに費用が発生する場合があります。除外申請すると、意見書というものが発行されるので、それを農地転用申請の添付書類として提出します。
⑤その他
開発行為に該当するかどうかは事業計画や各自治体の条例によって変わってくると思いますので、その都度確認してみてください。また、太陽光発電施設の設置についてなど、その事業内容によって別途条例にて規制されている可能性もあるので、それについても事業計画によって確認してみてください。
ということで、事前確認の段階で農地転用できるかどうかが大部分決まってきます。③の農地区分については、たとえ基本転用不可な農地でも事業計画によっては転用可になることもあるので、農業委員会事務局か専門家にご相談ください。当事務所は農地の手続きに専門特化しておりますので、お気軽にご相談ください。