相続の際に亡くなられた方(「被相続人」と言います)の遺産を相続人の誰が、何を、どのくらい相続するか、について書いてあるのが、遺産分割協議書です。被相続人の遺産をどのように分けるかを話し合いで決めることを遺産分割協議と言いますが、その内容が詳しく書いてある書類になります。
遺産の中には、不動産も含まれていることが多いと思います。そのようなときには、不動産の表示として、不動産番号、所在、地番、地目、地積などを1筆ごとに記載するの一般的な遺産分割協議書となります。特に、相続税の申告などが絡むときの遺産分割協議書は、遺産の内容を特定する必要があるので、上記のような書き方になります。
しかし、不動産の表示を1筆ごとに細かく記載することには、デメリットもあります。それは、もし把握できなかった不動産があった場合に、その不動産を登記しようと思ったら、もう一度遺産分割協議書を作成しなおさなければならないということです。何度も相続人全員に遺産分割協議書を署名捺印していただくのは大変な作業になります。
このように、把握できなかった不動産が後から出てくることに対しての対策のために、遺産分割協議書の書き方に工夫をすることができます。それは、不動産の表示を記載する代わりに、「被相続人所有の全ての不動産について、相続人○○○○が相続する。」などという書き方をするということです。これによって、もし後から把握できなかった不動産が出てきたときに、この内容を記載した遺産分割協議書を再度使用して相続登記をすることが可能であるということです。その他にも遺産分割協議書の記載内容を少なくすることができるので、遺産分割協議書に契印や割印をする手間が省けたり、これは作成者目線のメリットですが、記載内容が少ないので短時間で遺産分割協議書を作成できるというメリットがあります。ただ、登記申請書には不動産の表示が必要だと思うので、司法書士の先生の手間は変わりませんが。
これは実は結構なメリットです。と言っても細かすぎてピンと来ないと思います。相続人が多い相続であればあるほど、この記載方法をすることは何かあったときの安心材料となります。もう一度遺産分割協議をすることの大変さは何となく想像できると思います。前の遺産分割協議から時間が経っていれっば経っているほど、相続人の人数が増えたりとますます遺産分割協議が大変な作業となります。細かいことですが、このひと工夫が後々の大変な苦労を削減できることとなるのです。
当事務所では、相続人の人数が多い相続書類の作成を数多く対応しております。長い間遺産分割協議をせず放置していた、などあれば、お気軽にご相談ください。