農地転用申請では、様々な関係者間の利害を調整する必要があります。その中で、苦労することも多々あります。今回は、今までで最も腑に落ちなかった不本意な話をしたいと思います。
鳥取県内のとある自治体で農地転用申請をすることになりました。私は、その自治体の農業委員会事務局にメールにて問い合わせをしました。いつも一番最初にその農地が農振農用地区域内かどうか、何種農地に該当するのかを確認します。農業委員会事務局からの回答は、農振農用地区域外ではあるが、利用権設定(賃借権や使用貸借権などが設定されている)されているという回答でした。私は後日所有者が利用権設定を解除するということを確認して、その旨を伝えるとともに、農地区分での問題などその他の障害がなければ申請を進めるので、何かあれば教えてくださいとメールしました。そのメールには返信がありませんでした。
そのため、私はその他の問題がないものだと認識して、申請書類の作成やその他の関係者間の調整を行い、不明な点があればその都度農業員会事務局にも確認を取っていました。そして、申請書類を提出したときです。担当者がこう言ったのです。「この農地は、第1種農地かもしれません。」私は「はぁ?」と思いました。メールで確認して、電話でも何回もやり取りしておきながら、全てが終わって申請書類を提出したタイミングで、この農地は基本転用不可の農地です、と言ってきたのです。このときのこみ上げてくる怒りというのは何とも言葉に・・・していましたがここでは控えることにします。
確かに私に全く落ち度がなかったかと言えば、細かいことを言えば農地区分の質問に明確な回答を求めていればこのようなことはなかったかもしれないとは思います。さらに農地区分についてはある程度の指針もあるため怪しがることは可能だったかもしれません。しかし、それを差し引いたとしても、この農地の農地区分は私が問い合わせをした時点で既に判明していたはずです。それをいよいよというタイミングでいわゆる「掛けた梯子を思いっきり外す」というような行為をしてきたのですから、こちらとしては目も当てられません。私ができたことと言えば、苦情を書面にして提出することぐらいでした。内容としては、二度とこのようなことが起きないように対策を取ってほしいというものでした。しかし、それも行われたかどうか私にはわかりません。結局、依頼者からも報酬をいただくわけにもいかず、完全なタダ働きで終わったわけです。
これを教訓にして、大切な内容は必ず回答をもらうようにしています。失敗から何かを学び取ることができれば、タダで転んだわけではないことになり、これからのさらなる飛躍につなげることができると信じています。

